金を使う時間が無い生活

我想う支援日誌
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『稼ぐに追い付く貧乏無し』辞書で調べると文字通りの「一生懸命に働けば生活は豊かになり、貧乏に苦しむようなことはなくなること」20代の頃、早朝から農家の牛乳集荷、続いて学校給食の牛乳配達、昼からスーパー鮮魚部で午後8時まで働き月収30万円ほどだった経験もあるので納得の言葉です。

ところが葬儀支援活動を始めてみると無休、24時間対応ですから他の拘束される仕事はできず、設立初年度はたった3件の施行、翌年から倍々ゲームが7年間続きましたが4年目でも年間30件ほどでしたから食える事業でなく、美容業からの役員報酬で生活費と支援活動を賄ってきました。

設立4年目の10月、法人閉鎖後に全て無償譲与した事で無収入となりましたが、「あんしん館開設」をきっかけとして「各地から講演会要請」「新聞記事数回」「NHK全国放送」などの宣伝効果もあり、5年目から低報酬ながら得て生活費は何とか確保しましたが小遣いはありません。

20年間は財布に最低でも30万円以上入って無いと不安だった人間が、財布に2~3千円だけの生活へと変化、ところが6年目は130施行、7年目は270施行となると毎日葬式してるわけで、財布を開けることすらない日々となり収入も少しづつ増え少額ながらも自然に貯まる生活となりました。

金を使う時間が無ければ金は減らない――、当たり前の事だけど、この当り前を実体験できたのは精神面に於いて大きな財産でした。仕事柄酒は飲めませんから酒代、肴代は無く、めまいをきっかけにタバコも止め、全身黒づくめの服装は全て経費、携帯、車も全て経費、社内待機中の食費も福利厚生です。

毎月30~50家族入会

施行数が増えて利益が増えれば報酬を増やして当然ですが、5万円直葬プランは完成したものの、最終目標が、当時の直葬全国平均20万円での家族葬(宗教者謝礼込)という当時の常識からすれば無謀な設定でしたから、5年目からは目標に向け毎年料金を引き下げたので役員報酬はさほどあげられません。

僕の中には商売の鉄則のひとつとして『客数絶体主義』があり、それが事業を存続させる礎と思ってますので、7年間の倍々ゲームは出た利益分を毎年値引きし続けた結果でしょう。年間500名づつ入会者は増え続けましたが、70才を視野に入れ6年前から会員数を減らす作業を続ける今も5,000名を超えてます。

年間270施行は直葬だけなら2人でも充分可能ですが、家族葬も含めると至難の業、ならスタッフを増やせば良いのでは!? と会員さんの多くは思うようですがスタッフ1名増員するだけで、税込17万円の家族葬、税込75,000円の直葬は成立せず、値上がりし続けてる葬具価格も吸収できなくなります。

スタッフ(一般社員)が1名増えれば、給与、福利厚生等で最低でも400万円の費用が発生、当支援センターの料金設定で400万円の利益を出すには1名増では無理、増員の度に料金値上げをすれば経営は安定ても、当方の存在があるから安心していられる余裕の無い会員さんは不安になります。

そもそも葬儀屋がしたい訳でなく、葬儀屋が好きな訳でもなく、人が終幕を迎えるのは自然の摂理、誰にでも選択肢があって当然との公言を具現化してる訳で、会員さんの中には倍額でも100万円以上安いのだからと言われる方もおられるでしょうが75,000円直葬でも一括で払えない家族もいるのです。

金があれば葬儀屋に困ることは絶対にありませんけど、余裕の無い家族の選択肢が無くなっては本末転倒、当方の料金設定で存続可能なのは家族経営か2名以下で経営する葬儀屋だけ、その人達が弱者中心の葬儀支援に進路変更するか新たに開業しない限り葬儀支援センターが増える事はありません。

70才を迎える齢になってみると体力の衰えを実感させられ、特に夜中の搬送、徹夜は堪えますから「健康」は絶対条件、健康には「心」と「身体」があり肉体的な衰えは回避できませんが「心」の安定が大事と分ってきました。更に心の安定に於いては『欲』が大きく作用してる気がしますので次回はその辺りを書いてみます。

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