業者定義と家族定義の違いに過ぎない
先日葬式した家族から聞かされたのは「家族葬で250人でした」の言葉に思わず「そりゃあ一般葬だよ」と言ったら葬儀屋さんには家族葬でと伝えてあったんですよとの回答、このケースは家族葬のほうが安いと思い込んでる家族への対応として「家族葬」と呼んでるに過ぎません。
葬式形態に明確な定義などありませんから何でも良いんですが、家族と近い親戚と親交の深い人達で行うのが家族葬と解釈するのが自然、宗教儀式の有無や形式は関係ありません。これに対し業者感覚では「小規模の葬式を家族葬」「規模が大きいと一般葬」「火葬だけの葬式を直葬」と言ってる気がします。
2千数百件の経験則で言わせて貰うと、列席者全員が分ってるのが家族葬、突然でも列席できるのが一般葬と分類するのが自然、50名の家族葬もあれば、一般葬でも30名の葬式もあり人数の問題ではありません。
当支援センターは公営斎場は使用せず、あんしん館のみですから上限20名の葬式以外は受けてませんので、一般葬希望の家族は対象外となり親族30名の葬式も受けてません。理由は残る家族の生活が守れる葬式とは費用を抑える事も主目的なのでスタッフ2名で可能な葬式しか受けないからです。
列席者が多い葬式は費用が高くなったとしても葬儀屋なら対応しますけど、家族の生活を守る事を主とした当方家族葬のようなプランは他に無く、当支援センターを必要とする家族の為に存在する支援センターであり続ける為にも、その辺りの線引きはかなり明確にしており例外はありません。
宗教儀式を前提とする時代は終わった
施行数が多くなると様々な宗教の存在を知り、仏教の僧侶、神道の神官、カトリック等の神父など宗教者のいる葬式もあれば、キリスト教でも神父のような存在のいない葬式もあり、仏教でも在宅信者だけで行う葬式だったり、宗教儀式は全く無い葬式も普通に行われています。
仕事柄もあり家族と信仰についての話しもしますが、ネット記事を見ると日本人の60%が無信仰者と書かれてるようですが、実感はそれより多く無信仰を前面に出す当支援センターだからか、当方利用家族の90%は無信仰者、明確な信仰心を主張するのは仏教でなくクリスチャンが一番多く70%以上が無信仰者です。
普段信仰してない人が宗教儀式は無駄な出費
あなたが熱心な仏教徒だとして、キリスト教の宣教師が真剣に聖書を説いたら納得しますか? 逆もまた同様で恐らく納得する人おらず、そもそも真剣に聞く耳さえ持たないでしょう。だとすれば無信仰者に特定宗教を説くのも全く一緒の行為であると自覚すべきです。
普段から信仰してない人が逝去したら突然、釈迦の弟子になるなどあり得ないでしょ!? 逝去したら主(イエスキリスト)のもとに行くのも同様でしょ!? 僕は釈迦の弟子にもならんし、主のもとへも絶対いかんと明言、多くの無信仰者は同様に回答するはずです。
一銭も掛からなければ、どうでも良いことですが、宗教儀式を行うには必ず費用が掛かりますから、無信仰者や異宗教者にとって無駄な費用、多額の費用が発生する宗教儀式など論外、その金は生前使ってあげるべき、金は生きてる世の中でしか使えず、生きてるから「嬉しい」「楽しい」「旨い」とも感じれば「辛い」「寂しい」「悲しい」とも感じるのですから負の感情を残さないよう金は使いましょう。
直葬=火葬式の家族葬
直葬も家族葬との発想から設立当初は『火葬式』と表現しており、ホームぺージ掲載のNHK動画の中で流れるパンフレット画像には「火葬支援パック(火葬式)」と書いてあります。
仏式、神式、教会式と呼ぶなら、火葬だけの葬式は「火葬式」の発想からでしたが、当時は火葬だけの葬式は葬式ではないと言われた時代で、火葬炉の前で宗教儀式する葬式と思われる方もいた事から、誰でも理解できるよう直葬と呼んでますけど、本来は火葬式が最適な表現だと思います。
大事なのは家族の想い
葬式の極論を言えば世間体、過去の慣習はどうでもよく、法律に抵触せず家族が納得すれば葬式の形態なんて何でも良いが本音、皆さんが思ってるほど葬式に決まりなく、火葬許可証が無いと火葬できず、死亡診断書記載の死亡時刻から24時間以内の火葬は禁止(一類感染症等、コロナもそうでした)くらいです。
あとは死体遺棄罪「社会通念上埋葬と認められないような方法で死体等を放棄すること」と遺骨遺棄罪はともに刑法 第190条、3年以下の懲役と罰金でなく実刑判決の罪、遺骨に関しては、そのまま撒けば遺骨遺棄罪となりますが、粉骨にした状態で周囲に迷惑の掛からない状況なら多少撒いても問題ありません。
価値観、生活水準は全ての家族が違いますから、自分達家族の意向を優先して叶えてくれる葬儀屋を探しておく事、間違っても逝去後に葬儀屋を探す愚かな行為はすべきではありません。もっとも葬式費用が例え何百万円と掛かっても全く問題ない人ならその限りではありません。
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