死亡診断まで時間がある時の注意点

我想う支援日誌
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死亡診断まで時間が掛かるケース

昨日は毎年恒例の合同盆法要、前日夕刻には準備を終え明日は半日立ちっぱなしで疲れるぞと布団に入り、うとうとし始めた午前0時「搬送です」の電話で飛び起きて出動、準備を整えましたが、施設の担当医の体調が悪いとの事で明日の朝の死亡診断と言われ注意点を施設職員に伝えます。

翌日午前9時指定先の施設にお迎え、前夜の対応をしてくれたのでしょう。腐敗臭を感じることなく搬送、諸手続きと最終打ちあわせ、死亡届提出まで午前中に完了、午後1時からの盆法要に支障ありませんでした。

今回のケースは死亡から死亡診断まで10時間掛かってしまう点、諸説言われてますが経験則から言うと死後5時間を超えると死臭(腐敗臭)が出る経験は何度もしており、一度腐敗臭が発生したら消せず時間の経過に比例して強くなれば棺のフタを開けられず、さらに強くなれば棺の周囲でも臭います。

病院は逝去直後か家族到着時に死亡診断するはずですが、病院経営の施設以外は規模の大小に関わらず、医師は外注ですから夜間、深夜、早朝の逝去は開院時間前か昼休み時間の死亡診断となる事も珍しくありませんので、死亡診断まで4時間以上掛かる場合の対応策を書いておきます。

看護師・介護士の知識

始めに介護士は勿論のこと、看護師も死体保全の方法を熟知している人は少ないと思ってください。当然だけど看護師は生きてる人間の看護が主業務、その意味では介護士も同様、看護師で死体処置をされてる方も多いでしょうが、腐敗するまで病院内に置くケースは少ないからです。

当方会員には医学部教授、現役医師もおられますので、その辺りを確認したところ「解剖を担当する監察医か法医学者でもなければ分からないでしょうね」とのことでした。数時間前まで生きてた人が腐敗する――、たしかにピンと来ないかもしれませんけど確実に腐敗は進行します。

死亡診断は医師又は歯科医師以外はできないと法律で定められ、死亡診断しないと死体処置できませんから医師が来てくれるまでは、季節に関係なくパジャマ姿で歩き回れる室温で布団を掛け温めながらの10時間、腐敗進行を増長してる事になるのですが、死体への対応を見てると「寒いよね」としっかり布団を掛ける看護師、介護士には驚きますけど単なる無知か、優しさの押し売りパフォーマンスでしかありません。

具体的な対処方法

① 腐敗進行の速い「下腹部」「腹部」に袋氷やアイスノン等保冷剤を肌に直接当てて被服で覆う
② どちらも3時間~5時間毎に交換するのがベスト(ドライアイスは普通所持してません)
③ 布団や毛布は掛けず、せいぜいタオルケット程度
④ 室温は最大冷房にしてください
⑤ 病院、施設は送り出せば完了ですが、安置、葬式等で火葬までは更に数十時間掛かるのです

過去に特養担当者から「死後は法律で我々は触れられません」と言われた家族もありましたが、そんな戯言をまともに聞く必要はありません。医療行為等は禁止されても死体に触れないなどあり得ませんし、それが法律に触れてどうこうされる事など絶対にありません。

もし、同様の回答をする施設職員がいたら、もしもの時はどんな責任をとってくれるのか他の施設職員も交えて、具体的に確認しておきましょう。過去に強烈な死臭が出て「この責任とれるのか!?」と一喝した経験もありますから無知な職員もいる事実だけは知っておきましょう。

強い死臭が出た死体での葬式は大変、家族がしてあげたい事も出来ず、来てくれた人達は嫌な臭いの中で過ごすしかありませんから、たった一人の無知な職員の暴言と愚行の押付けで、家族にとっては大事な時間、できれば良き思い出として残したい時間を嫌な思い出しか残らない葬式にされるのです。

葬儀屋担当者に確認しておく

まともな葬儀屋なら、今回の内容は当然心得てますから、施設入所してる家族がおられる方で夜間、深夜、早朝逝去の時は、死亡診断まで数時間かかる可能性がある施設なら、その時はどうして貰えば良いかと確認すれば、対処方法を教えてくれたり、地元なら施設毎の対象方法を知ってるかもしれません。

ついでに言うと、死後処理の後で浴衣を着せる病院、施設は多いですが無料ではありませんので、事前に着せたい服や着物を持ちこんで、保管場所を伝えておけば着せてくれ浴衣費用は節約できます。

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