火葬当日の斎場変更

我想う支援日誌
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親族確認せず死亡届提出

葬式施行を我々自身で行うようになった2年目、ある喫茶店のマスターから、高崎の病院で東京都民の女性が逝去、自宅の家族葬でお願いしたいとの電話連絡が入った。

「前橋は市民が届出人なら火葬は無料ですが、高崎は市民外火葬料が掛かります」と伝えると自分は前橋市民だから「前橋火葬でお願いします」と言われた。

突然の逝去らしく警察の検案が入り病院で5時間待機したので安置は暗くなっており、安置後は前橋に戻って自宅用の葬具類を運び、自宅のあるビル上層階まで小さなエレベーターで何度も運んでの準備、我々自身が慣れて無い事もあり時間ばかり掛かり疲れ切ってました。

安置が済むと喫茶店に電話して届出人の記載事項を確認すると電話予約、捺印してませんので届出はできませんが、明日の午後には自宅に行けると言われ翌日の午後の提出予定で進めます。

喫茶店マスターが来たのは午後4時を過ぎており印鑑を押して貰うと前橋市役所に電話、高崎からだと閉所時間に間に合わず、予約してあるなら明日の朝でも構わないとの事でした。

火葬当日の斎場変更

翌朝8時30分開所と同時に市民課に行き死亡届を提出しましたが、中々受理されず最終的には「どう調べても故人と届出人が繋がらず火葬許可証の発行はできません」と言われる始末、11時から葬式ですから「なら届出人になれる親族は高崎にいるので市民外火葬でお願いします」と伝える。

『市民外火葬料5万円は赤字だけど仕方ない』と考えていると「でも故人は都民でなく高崎市民ですよ」と市民課担当者に言われ、すぐに高崎斎場に電話「午後3時の火葬なら可能です」と言われ予約、自宅で書類作成してから届出すると何事も無かったように自宅に戻った。

葬式は予定通りに行い、火葬時間まで親族は食事やのんびり過ごし午後2時自宅を出発、高崎斎場での火葬も順調に完了、自宅に戻ると白幕を外したりエレベーターで荷物を下して車に積み込んで前橋に戻る。この3日間の疲れがドッと出てグッタリでした。

一歩間違えば翌日以降の火葬となり神奈川から来られた親族も帰れず、もっと最悪のケースも想定されましたから『届出人確認の大事さを学びました』2025年の今は同様の流れで当日火葬は多分難しいでしょうから、時代も味方してくれた事になります。

死亡届出人に関する学び

死亡届出人

親族(血族6親等・姻族3親等),同居者,家主,地主,家屋管理人,土地管理人等(病院長・施設長も可),後見人,保佐人,補助人,任意後見人,任意後見受任者、以上が届出人に成れる人達です。

本ケースでは同居してた内縁の夫がおりましたから、同居人でも問題は無かったのですが、故人が都民であると言われた事を確認もせず信じ込んだのが失敗の始まりでした。

喫茶店のマスターと故人の関係を改めて確認しておけば何の問題も無かった事、経験と知識不足が招いたミスでしたが家族親族は知らない所での騒ぎだったのは幸いでした。

ついでに言うと「後見人,保佐人,補助人,任意後見人,任意後見受任者」が届出人になる際は、法務局発行の原本を添付する必要があり、病院長は病院所在地住所を記載、施設長は居住地住所を記載と異なるので、誰が届出人になるかで注意が必要です。

2025/01現在、多くの斎場は午後3時が翌日火葬可否の最終決定時刻ですから、まずは利用予定の斎場に直接確認した上で手続きを進められると良いでしょう。

ミスを失敗にしない為に

失敗をしない努力や確認は大事ですが、どんなに注意したり最善を尽くしても「mistake失敗・間違い」を完全に無くすのは無理であり、それを全てとがめていたら誰も進んで何かをしようと思わなくなります。

担当者は考えられるリスクと想定内のリスクが発生した際の対処法を事前確認したり、必要なら法律も含めた知識を得ておく事で、もしもの時はスムースに対処対応ができるはずです。

45年に及ぶ管理職・経営者経験で分かった事のひとつに『管理職が必要なのは問題発生時である』があります。順調な時は社長を始めとした管理職は必要ないと言っても過言ではありませんので、スタッフの後ろに控え見守ってる姿勢さえ見せれば充分、しかし様々な障害が発生した瞬間に動く必要があります。

先頭に立ち陣頭指揮を取ったり、最前線で牽引けんいんしたり、必要な手配や対処をするから管理職なのです。その最終責任を負うのが経営者で信頼に足る部下がいるなら任せればよく、それだけの存在が無ければ自らが陣頭指揮をとるべき、これが45年間の管理職・経営者経験で得た教訓です。

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