葬儀支援には2種類ある

我想う支援日誌
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あんしんサポートの支援は2つに分類されます。

① 全会員に対して行う支援
② 個々の家族毎に行う支援

① 全会員に対して行う支援活動

マニュアル化も可能な部分でホームページ、パンフレット等で謳っている内容、この支援は『明確な料金』『明確な内容』『追加の出る明細』などハード面が主体です。

個々の家族の持つ様々な事情も含め、我が家に於いての依頼対象の可否判断ができる内容の記載が必須で希望する葬式形態に於ける明確な料金記載も絶対条件です。

さらに入会対象者についても明確にしておく必要があり『事前入会必須』なども明記する事で、直接問い合わせずとも大よその事が理解できる内容が望ましい。

個人的には死後になって初めて依頼先葬儀社を探す人の感覚は理解できない。

確かに死は人生の一部で自然の摂理ではありますが、ともに人生を過ごした家族の死から逃げる事は家族の死を軽んじてると言われても仕方の無い言動です。

費用を掛ける掛けないの問題でなく存命中しか出来ない『お別れ』も沢山あって葬式経験が無いなら経験豊富な人(施行担当者等)聞いてみようと思うだろう。

死んだら適当に葬儀社を探して坊さんに拝んで貰うのが葬式では無いだろう「まだ生きてるのに死んだ後の話なんてしたくない」など基礎能力に欠ける人以外の発言なら単なる言い訳の弁でしかない。

何事に於いても段取り八部は正しく、この感覚で温かい葬式などできるはずがなく自分達の準備不足を棚に上げて温もりを求める姿勢は間違っている。

葬式を考える家族にとって『依頼先候補になる葬儀社か判断ができる記載内容』が、 ① 全会員に対して行う支援活動では最も大事な部分です。

② 個々の家族毎に行う支援活動

今回は温かい葬式を生み出す方法論であり「②」この部分が温かい葬式を生み出すかなめとなります。

まず利用候補の葬儀社の実態を知ることです。葬儀社が何処でも似たようなものだと思っているなら大きな間違いで個々の違いは思ってる以上です。

この点については葬儀社で聞いても分りません。利用した家族の本音を聞くか自身が参加して感じた印象を基に事前相談に行って確認です。

評判の良い葬儀社、悪い葬儀社の噂は何処にでもあるでしょうから参考にしましょう。

最終的には自身で出向き直接話しを聞けば心が勝手に判断してくれます。綺麗事ばかり並べ立てる葬儀社もあれば、全く響かない葬儀社もあるし、話しに引き込まれる葬儀社だってあるでしょう。

どれが良いかでなく、自分達家族の価値観に近い葬儀社を探す事、それが事前相談の2時間ほどです。

一般葬儀社は知りませんが、当方では家族の持つ様々な事情を聞く事はとても大事、費用面と感情面と体裁等も含め『個々の家族に最適な葬式の流れを組立てられるプランを紹介します』

事前相談の目的は『入会後は死後について一切考える事なく安心して生活できる』です。

だから最低でも1時間、普通は2時間以上掛かり、勧めるプランと内容だけでなく会話から得られた情報を基に想定、実践する例はいくつもあります。

例えば・・・
前橋市内在住で入院中の対象者である夫80才、妻78才の老夫婦世帯で妻の免許は返納の場合。

『病院から寝台車に同乗』安置や手続き終了後『自宅まで送る(無料)』

病院から乗せるのは普通だろうと思うでしょうが、群馬県では自家用車で病院に向かうのが普通ですから寝台車に乗せたら後で車を取りに行く手間が掛かります。

また寝台車であんしん館に戻る車中は『葬式会議』で依頼者の状況によっては『火葬予約』『宗教者予約』『家族を守る為の流れ』等々行う時間ですから当方では基本的に寝台車に家族は乗せません。

この例では夜間逝去も想定し、病院には当方が迎えに行くと伝えて貰い、その際は安置して翌朝無理の無い時間に手続きして送っていく事もある。

或いは火葬までの流れは全て当方で行い火葬場で最後の別れをされる事を希望する方もいるし、キリスト教系の信仰では拾骨しない方も多く最後の別れをすれば火葬場で待機する必要の無い方もいます。

高崎斎場だけは最後の別れで斎場に行くだけで待機せずとも有料待合室利用が必須、そこで自宅や斎場近くに停車し最後のお別れして火葬に入る事もあります

また礼服が無い、体形が変って着られないと分れば普段着で葬式をする事も珍しくありません。葬式だからと新たに購入する必要は無いからです。中には事前に友人などから借りたりして対応される方もいます。

残る家族生活に負担が掛からないよう食事時間を外して葬式の流れを組む事も多く、火葬中の待合室も借りず無料休憩所を使うことが殆どです。

逝去後の打合せは親戚が同席する事も多く事前相談である程度理解出来ていれば逝去後の最終確認では、当方からのお勧めとして自然に話しを進められます。

また葬式の2日、3日間の中では様々な状況や場面が起こります。

返礼品がひとつ欲しい、棺の中に入れたい物、女性なら死化粧、口閉じ、開いた目、夏場なら脳の腐敗防止、手足の壊死対処、親戚との対立、式次第の中でポッカリ空いた時間調整など何があっても不思議ではありませんので何があっても対処できる知識、様々なスキル、毅然とした態度も必要です。

また家族葬プランは居士大姉戒名も含まれる為、少しでも家族が納得してくれる戒名を付けられるよう死後手続きの際に故人の性格、仕事、趣味、人間性など全て聞いて書き止め、依頼する寺にFAXして住職が家族に近い感覚で戒名を付けられるようしています。

授与された戒名と使用した文字の意味はFAXで返信して貰い、当方書式に書き直して葬式後に説明すると感動したり涙を流す家族も多いです(書面にして渡します)

火葬後の拾骨は斎場担当者に代わって入り、付着色の説明、焼骨の各部位説明、火葬炉や温度の説明などしながら、各自が手で賑やかにワイワイ言いながら拾骨します。

前橋斎場は県内で最も詳しく焼骨の説明をする為、崩さず大きく残しますが、骨壺に納まりきらない事も多く潰すことになります。

通常職員が作業しますが他人に崩されると嫌なのが本音ですが、家族自身の手で焼骨を崩すので嫌な思いをさせず済みます。

拾骨で「箸渡し」なる言葉を耳にしますが「橋渡し」はあっても「箸渡し」なる言葉は語呂合わせでしかなく昔は熱いままの拾骨で火傷するから箸を使ったに過ぎません。

手で触れられる程度の温度まで下がる前橋斎場なら『故人が最後に残した身体の一部』ですから「ありがとう」「お疲れ様」の言葉を添えて各自が素手で骨壺に納めています。

但しキリスト教系の多くは拾骨しませんから、信仰が混同している親族場合、拾骨する人、しない人は火葬に入る段階で確認しておく事で余計な摩擦が避けられます。

② 個々の家族毎に行う支援活動ほんの一部を書きましたがこれらは全てしなくても済む事ばかり、それは家族の知らない事、想定外の事だからです。

されど大切な家族との別れの時間を後悔なく、できれば想定以上の対応で送れたと感じる家族と我々の距離感の近さが『温かい葬式』の評価に成っているのでしょう。

また遺影制作には触れませんでしたが、上記の実践には『家族の本音を引き出す話術』『写真加工技術』『死体も含め様々な知識やスキル』と事前相談から拾骨まで全てに関わらなければ不可能です。

温かい葬式は流れ作業の葬式では出来ませんが、サービス業最大武器の『無形の付加価値』から生まれるもので、そこに対価を求めない事が温もりを感じられるのかもしれません。

ただ、どんなに優れた担当者でも価値観、考え方が互いに理解し合えなければ徒労に終わります。それが誰でも構わず引き受けない最大要因と言えます。

次回、温もりのある葬式、最大ポイントは存命中の家族

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