『無信仰者の葬式参考書』にも書いてますが葬式ほど「まことしやかな嘘」が堂々と語られる場はありません。
拾骨になると年長者の声で「長く薬を飲んでた色だな」とか「ほらあれが喉仏だよ」と自分の首の突起を指す方もおられます。
斎場職員は差し障りないよう黙って何も言いませんが「間違い」です。
のど仏は「第二頸椎」
拾骨するのど仏は、首の突起した骨ではありません。
火葬後に行う拾骨ですが、東日本は7寸骨壺「全拾骨」、西日本は4寸骨壺「部分拾骨(頭部、首、胸部、腰、手足の各一部を拾骨)」と違います。
県内斎場で比較的詳細な焼骨説明をするのが前橋斎場のため、焼骨を大きく残すことで男性など骨格の大きな故人は7寸骨壺でも納まりきらない事が多く、骨壺内で崩しますが前橋の他にもいくつかの斎場があります。
拾骨の中で「のど仏」と呼ばれ人が合掌してるような形の骨がありますが、斎場担当者から「第二頸椎です」と言われるでしょう。
頸椎とは背骨と思えばよく、上から頸椎、胸椎、腰椎、仙骨(尾骶骨)と呼ばれ、第二頸椎は上から二番目の首の骨です(完全な姿がサムネ写真)
のどの突起は「甲状軟骨」
「えっ!喉の突起じゃないの?」と思われる方も多いようですが、喉の突起骨は「甲状腺軟骨」と呼ばれ声帯を覆い保護してる鎧のような骨で男女共にありますが男性のほうが突起が大きい。
甲状腺軟骨は「軟骨」なので火葬後まで形を留めることはありません。西洋では Adam’sapple(アダムのリンゴ)と呼ばれ禁断の善悪の知識の実であるリンゴを口にしたところを神に見つかり、慌てて飲み込んだ際に喉に引っ掛かって腫れたと言われる。
「長く薬を飲んでた色だな」についても絶対とは言えませんが投薬で骨の色が変色するのは骨の癌(骨肉腫等)など特殊なケース以外は考えにくいです。
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