前回の親友宅は1年では済まず2年間お世話になりましたが、これ以上いると抜けられなくなり、最終的には僕が継ぐ事なるのは明白でしたから、1年間掛けてリタイヤする体制を作って離れました。
祖父母の教え、親父さんの商法で現場仕事は、そこそこ覚えた感もありましたが、商売は経理や銀行など数字も着いて回りますから、その勉強と自分に合う仕事を見つめ直そうと勉強する事にした直後、うちの嫁さんの知り合いが免停で30日間運転できないから、その間だけ運転のアルバイトをして貰えないかと打診された。
会社のバン車両に乗って帰り、朝迎えに行き、朝礼後は指示された美容室まで運転、車内で待機して次の店に移動、夕刻は事務所に戻って自宅に送るという流れでしたが、会社を10時に出発すると途中昼食を取り、毎日午後4時頃には終了、途中下車して午後7時に迎えにきてくださいと言われる流れでした。
見てる限り、こんな楽な仕事ってあるんだなぁ、
営業してる場面は見てないけど、美容室に入ってから出て来る時間を考えれば、それほどの事はしてないと思うが、額は分らないけど、これで給料貰えるならお気楽だろうなと感じてました。
夜間の会議があり、社長から傍聴者として会議に参加してみませんか? と言われて会議を聞いてましたが、食品業界でしのぎを削ってきた人間からすると、ぬるま湯としか思えない内容、真面目に聞く気になれないのが顔の表情に見てとれたのか「武井さんはどう感じますか?」と突然聞かれました。
突然だった事もあり、思ったままを発言――、
社員の人達には少し失礼だったかとは思いましたが、それが素直な印象ですから繕うことはしませんでした。
社長から誘われ美容業界に入る
アルバイト最終日、社長に呼ばれ「武井さん、この仕事やってみる気はありませんか?」と言われると、会社で貸与してくれる車で通い、決められたルート営業して午後4時に終わるなら、勉強しながら収入も得られるじゃん――、と単純に考えて了承したのですが想像と現実は全く違ってました。
専務と同行営業を1週間すると、先生と呼ばれる美容師は結構上から目線で対応する人もいて聞きます
なんで、あんなに上から目線で言われるんですか? 腹が立ちませんか?
ははっ、確かになぁ、俺は先生に頭を下げてるんじゃなくて、金に頭を下げてるから、相手が何を言っても気に成らないよ。
はぁ、、そうなんですかぁ・・・・
先輩には悪いけど、俺は美容師にも金に頭を下げるつもりはないから、頭を下げない営業を考えてみますよ。
相手の苦手や求めている事を提供
同行1週間後は、購入額の少ない美容室を120店舗(総売上100万円位)を渡され、1日20軒を回るルート作って県内各所へと営業開始、その当時、税務署が美容室をターゲットにしてたらしく、何処の店に行っても税務署が入ったという話題ばかりでしたから、丁度経理の勉強をしてた事もあってこんな対応をしました。
こんにちは、
最近どこに行っても税務署の話しばかりだけど先生の所は大丈夫ですか? ちゃんと仕訳はできてますか? じゃないと税務署が来たらアウトですよ。
えっ、そうなの、ところで仕訳ってなに?
うーん、経費って言えば分り易いかな、色んな経費を各科目毎に分類するのが仕訳、先生の店で経費はどんなものがありますか?
まず「お米」でしょ。ご飯食べなきゃ働けないもんね
ちょと待って、ご飯食べるのは分るけど、美容室が法人で社員食堂のような使い方なら福利厚生費になるけど、先生や家族が食べる「米」は経費になりませんよ。例えばね、お菓子を買って家族で食べれば経費じゃないけど、お客様用に出すなら接客費になるから「物」が問題なのではなく使い方が商売として使うものであるなら経費、米に関してはサラリーマンだって食うでしょ。でも経費計上できませんから、それと一緒です。
確かにね、うちの旦那サラリーマンだけど経費じゃないものね。
だとしたらさぁ、、、
あっ、先生ごめん、俺とあと20軒回らないとだから次でいいかな、
そうなんだぁ。次っていつ?
注文があれば遅くても来週だけど、無ければいつになるかなぁ、、、
ちょっと待って、パーマ液持ってきてちょうだい、遅くても来週来てくれるんでしょ?
勿論きますよ。なら来週までに聞きたい事をメモしておくと良いですよ
うん、そうね、じゃあ来週待ってるね
頭を下げないコンサルティング営業の始まりでした
これがコンサルティング営業の最初、このルートは1年後に3倍の売上となりました。その後は俗にいうキャンペーン、スタッフ教育など総合的な経営相談をした事から、気付けば経営指導をするようになってました。
ただ閉店後の話しが基本だから帰宅は早くて午前0時、通常は午前2時、遅いと午前4時もあったりで特別能力があるわけでもなく、美容室を成功させた経験もありませんから、自分でも勉強しながら持てる全てを費やした全力投球、家庭を筆頭に大きな代償を払いましたけど、得るものも大きかったです。
能力があれば家庭と仕事を両立できるのかもしれませんが、僕の能力では仕事に全力投球する事で少しでも余裕のある生活をさせてあげる方法を選択しました。
息子が小さい時は「パパ今度いつ来るの?」と言われた事もあり『なんだ??』と思いましたが、帰った時には寝ており、息子が起きる前に出社してましたから息子がそう言ったのも当然です。
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