『無信仰者の葬式参考書』にも書いてますが、執筆内容をより詳細にしたものです。今回は安置後の最終打合わせや各種相談とアドバイス時に驚くほど多い銀行口座の凍結についてです。
「死亡届を提出する前に銀行から引き出したいんですけど」
「死亡届を出すと銀行口座は凍結されちゃうんですよね」
とても多くの人達が同じように言うのだから世間的には常識!?とされてる事なのだろうかと思うほどですが『嘘』です。
法律に沿って言うと「死亡した瞬間から故人財産は全て法定相続人の管轄下に入る為、正式には正解ですが実際は凍結されません。
ってゆーか、銀行は口座名義人が死んだ事など知りませんので凍結できないと表現したほうが的確です。
死亡届出書の提出は次の3か所だけで他の役所で死亡届出はできません。但し火葬は全国何処の火葬場でも可能で費用は無料から数十万円まであります。
死亡届を提出できる役所
『死亡した病院、施設、自宅等の所在地役所』
『故人の本籍地役所』
『届出人の居住地役所』
死亡届が提出できるのは「親族,同居者,家主,地主,家屋管理人,土地管理人等,後見人,保佐人,補助人,任意後見人,任意後見受任者」以上です。
親族とは血族6親等、姻族(配偶者の血族)3親等のことです。
次の話しを読めば即時凍結されない理由は分るでしょう。
『役所が故人名義の口座を全て知ってると思いますか!?』 数か所の銀行に口座がある人はいくらでもいるし、昔なら好きな名義でいくつでも口座は持てたでしょ。その全てを市役所が把握してる事など絶対にありません。 また逝去時点で役所が銀行の取引先人管理台帳に侵入できません。裁判所の命令でも無ければ問い合わせても銀行が役所に教えることなどありません。
『役所(行政)』が『銀行(民間)』に故人情報を教えると思いますか!? 絶対に無いと言い切れます。もしあったらそんな銀行に貯金する人などいませんし、それが公になれば引き出すでしょうから銀行が自分の首を絞める行為などしません。
故人口座は何故凍結されるのか
故人の財産は法定相続人の管轄下ですから、法定相続人全員の許可を得ず支払った場合、別の法定相続人からクレームが来たら補償問題にもなるからです。
銀行に行ったら凍結されてた
いくつかのケースが考えられますが以下の三種以外は考え難いです。
『葬式日程を新聞掲載した』 新聞の「お悔やみ欄」は銀行も確認しますから掲載確認すれば凍結します。
『家族が死亡を伝えた』 凍結前に引き出そうと印鑑と通帳を持って書類を書いて提出すると今は本人確認されます。本人でないから駄目だと言われ「先ほど亡くなったので引き出したい」と言えば即刻凍結です。
『農協や小さな村の郵貯なら』 田舎の小さな村は半日もあれば情報は伝わりますから、家族は何も言わなくても近所や知人の誰かが農協等に行った際に話せば実質凍結されるでしょう。
預貯金は逝去前の対応が必須です
・動けるうちに銀行カードを作成し4桁の暗証番号を覚えておきます ・定期類は全て解約すれば勝手に普通口座に入ります ・できれば存命中に毎日50万円づつ引き出す(20日で1千万円) ・銀行で確認される事を考え『委任状を作成しておく』
『引出しの裏技』※個人責任で実行してください
小銭まで払い出しできるATMは郵貯を始めとした新店舗しかありません。小銭が入るATMがあれば下三桁を『000』にすれば全額引き出せます(小銭入金費用の掛かる銀行もある)
上記ATMが無い場合、仮に残高記帳が623,485円なら窓口に行き15,515円入金すれば残高639,000円は2日で全額引き出せます(入金は本人確認されません)
本例では窓口入金515円でも「000」ですが違和感があり確認される可能性もありますが、15,515円のような入金なら違和感はありません。
通帳残高999円ならATMでは引き出せませんので手続きをすると銀行毎に書類は違うでしょうが考えられるのは以下の書類です。
・名義人が生れてから死ぬまで全ての戸籍謄本(転居地全て)
・法定相続人全員の印鑑証明
・故人名義の通帳、カード、印鑑
・除籍謄本と言われる事もあるでしょう
費用面で見ると謄本450円、除籍謄本750円、印鑑証明350円ほどですから、法定相続人が数名なら残金より高くなるわけです。
銀行窓口では決まり事を変更できませんから残高より高額な費用発生は馬鹿らしいと少額残金口座は増え続けてるはずです。
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