家族の終幕を意識したら

我想う支援日誌
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直前の入会相談では間に合わない

相変わらず利用者からの紹介入会が続いてますが、直近の家族は、すでに「意識が無い」「話せない」と言われる方が多く、意思の疎通が出来る段階、意識のある段階ですべき事もあるのですが、今更伝えても後悔として残るだろうと思うと即答出来ず「・・・・」となる事が多かった。

終幕前の意識の疎通が出来る段階ですべき前葬ぜんそう、逝去直後と葬式後に必ず行う事になる後葬こうそうとあり、一連の流れの何処から話そうかと迷うが『葬式は死後に行うもの』これが葬儀屋、寺の発想なのだろう。感化された家族も家族の死を考えたくないから同様なのが理解できない。

検査して病気が発見されたら怖いから病院に行かない、地震の準備をしたら地震が起こりそうだからしない、死後の準備をしたら死にそうだからしないの発想だとすれば、言ってる事が分らない訳ではないけど、理解も納得もできるものではない。

死亡率一番の「癌」は早期発見なら90%の確立で完治するけど、末期で発見なら10%にも満たない癌もあるのだから、まだ生きたいと思うなら定期健診はすべき、日本で生活する以上、地震を避けて通れず「関東大震災」は知らなくても「東日本大震災」「能登半島地震」は知っているのです。

人の終幕(死)は確率100%、日本人男性81才、女性87才が平均寿命、健康寿命は男性70才、女性73才ですから、遅くても70才を超えたら、いつでも対応できる準備はしておくべきと言われてるようなもの、先日、タレントの西田敏行さんが76才で突然終幕を迎えましたが、これが人生です。

ただ施行3,000件の経験則から言うと人の死は年齢でなく、元気一杯の人でも、いつ終幕を迎えても不思議ではない事、長期病気もあれば、突然死、事故死もあって人生とは正に一瞬先は闇です。

健康寿命とは
健康上の問題がなく日常生活を送れる期間のこと

現実から逃げない

まず、どんなに拒絶しても「終幕は100%来る」と再認識すること、その上で『もし今終幕を迎える事になったら何が不安で、何が心配で、どんな後悔があるかと考えてみましょう』

それらを1つ、ひとつ解決したり、解決に向けて取り組む事、病気があるなら可能な限り完治を目指す行動を取り、配偶者、子孫が心配なら日々の対応を含め自身の言動を見直したり、やりたい事があるなら実現させるべく計画を立てたり行動すれば良いでしょう。

人生には必ず終幕があるから、精一杯生きられたり、充実させたいと思えるもの、もし不死なら、そんな風に思う人は誰一人としていません。その点は旅行と同じ、旅行は数日後、数週間後に終わりがあるから目一杯楽しもうとするのであって、終わりの無い旅なら楽しくなどありません。

死は受け入れられない

3,000施行を担当したと聞けば、僕自身も「死」を受け入れてると思われるでしょうね。こうして文章に書いてる今、自分に問うてみると「NO」が心の声ですから少なくとも現時点では受け入れてません。

ただ65才を過ぎた頃から同年代の人達の終幕に関わる機会は増えますから、65才前より身近には成ってますけど、皆さん同様に今日明日に死ぬとは思って無い自分がいます。だもん、人の終幕と縁の無い生活をしてる人達なら尚更のことでしょう。

だからといって自分や家族の「死」から目を背け逃げて結果オーライとは成りません。逃げれば、逃げるほど後悔の種になったり、1度しかない人生を頓挫とんざさせる結果にもなるのです。

あなたは天文学的な確率で生まれ、地球規模で考えれば100年など「あっ」という間ですから、せめて自分に与えられた人生を精一杯生きたり、楽しんだりしませんか!?

「死」は目指すものに非ず

生きてる時は自分以外の他人に迷惑を掛けない事も可能だけど、終幕を迎えた途端、指一本動かすことさえ出来ませんから、亡骸のなきがら処理、自宅、預貯金、残す家族の生活などは全て誰かに対処して貰うしかありません。それらを放ったらかして不安を抱えた状態で充実した人生などありません。

自分が終幕を迎えたあとの青写真未来図を出来るだけ明確にひいておくのは、あなたの義務であり愛情、残す家族が抱える後悔を減らす最大で最良の対応策設計ですから明確に描いておきましょう。

但し、家族関係、金銭面等々に於いては、今現在と終幕時が同じとは限ませんから、様々な状況を想定した対応策を熟慮しじゅくりょた上で遺言書に残されるべきです。

以前、普通の医者は「最善を尽くします」と言うが、アメリカを拠点に世界中で活躍された脳外科・故 福島孝徳先生に手術して頂いた会員から「僕が治してあげる」と言われたと書きました。その言葉が出せるのは起こりうるあらゆる想定をした上で手術にのぞまなければ出せない言葉です。 

家族事情も同様、今は相当額の貯金等があったとしても、諸事情で様相が変わったら、いつでも内容変更できる遺言書や家族への依頼書を書き換えられるようしておく事も必要です。

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