7.浴衣を着せられる故人

我想う支援日誌
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90%以上の確率で浴衣を着せる

殆どの病院はご遺体に浴衣を着た状態でお迎え、当初はそれが決まりだと思ってましたが、浴衣は3,800円程の費用が掛かると分り、浴衣を着せる決まりでもあるのかと調べてみると、着衣の決まりは全くありません。

なんで寝巻浴衣を着せるのだろう? と考えると衣類の中で最も着せ易いから、死後硬直は死後2時間ほどで下あごから始まり、腕の硬直は5時間ほど掛かりますので、死後処理の時間は基本硬直してませんから、どんな服でも左程難儀せず着せられますが浴衣着用の説明をする病院はありません。

逝去後の死後処理は保険適用外

死亡診断が終わると看護師により、死体処理(エンゼルケア)が1時間ほど掛けて成されますが、この費用は病院毎に異なり1万円位~5万円近く請求される病院もあり、浴衣を売店で購入するよう言われたり、処理費用に含まれる病院もありますが、いずれにしても浴衣は3800円前後の費用が掛かります。

死後処理とは『口・鼻・尻の開口部を塞ぐ作業』『全身を綺麗に拭く清拭せいしき』『死化粧』『口閉じ』『出血部位手当』など施行内容は病院毎に異なり、健康保険の適用外ですから、病院によっては馬鹿に成らない金額を請求されることもあるのですが、事前説明しない病院もあるのが不思議です。

着せたい服を前もって持参しておく

結論から言うと入院中に着てたパジャマ、着脱が楽なスウェット可燃性の物なら何でも構いません。納棺後は掛け布団を掛けるので着衣が見えることはありません。

クリスチャンに多いのがスーツを着て搬送する故人、故人が好んで着てた服、大切にしてた服を事前に持参して担当看護師に「もしもの時は着せてください」と置き場所を伝えておけば和服・洋服問わず着せてくれ、浴衣の費用は掛かりません。但し逝去後では駄目、あくまで存命中です。

葬儀屋が搬送、施設等で安置したり、葬式の最終打ち合わせをしてからでは硬直が進んでいる事になり、着せたい洋服によっては難儀したり、身体にフィットする服ではドライアイスを当てる隙間が無い服もありますから、そんな場合は布団の上から掛けてあげるなどしましょう。

癌治療で髪の無い故人がウィッグ(かつら)を持ってるなら金具類は外して被せてあげたり、いつも帽子を被ってた故人なら帽子を被せてあげれば、いつもの故人になります。

注意するのは真新しい下着や服で色落ちする素材を棺に入れたり、着せたりすると焼骨に色素が付着します。例えば真赤な木綿のトランクスを故人に履かせて火葬すれば、焼骨全体がピンク色に染まる経験は3回しておりますので、その辺りも考慮されると良いでしょう。

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