自分に嘘をつく
正確には「自分に嘘をつく」というより「潜在意識を騙す」のほうが的確な表現だと思います。騙しのテクニックを学んだのも家業倒産後、頼れる人もなく、金もなく、自分で成り上がらない限り現状からの脱却はないと悟りはしたものの、どうすれば実現出来るか分かりませんでした。
小中学生で言われ続けた「お前はやれば出来るんだから」の言葉を思い出してみますが「やる気」が出る事はなく、納得できる根拠の無い叱咤激励に効果はない、高学歴でもなく、特別な能力を培ったスキルもなく、坊ちゃん育ちで見栄だけ一人前の人間がどうすれば良いんだろう。
そんな心持ちの時期、時たま通り掛かった病院の窓を見ると、殆どの窓に明かりが灯っているのを見て『あの窓の中には外を自由に歩けない人、明日をも知れない人もいるんだよなぁ、でも俺は動けて考えられる心身の健康だけはあるから患者さんより間違いなく幸せだな』これが最初でした。
自分より大変な人を見て自分は恵まれてると思い込む、絵に描いた餅、机上の空論だろうと出来る可能性がある限り挑戦し続ければ、いつか達成できると思い込む、今思えば当時は『空元気』の言葉がピッタリでしたが、空元気を毎日繰り返していると、いつの間にか本当の元気に変化します。
多分、繰り返し考え続けたり発言し続けた結果、自分の中にある駄目だろう、無理だろう、できないだろう等の「負の感情」から『出来るはず』『出来る』『絶対出来る』と変化したんだと思う。
勿論、その実現は簡単な事でなく挫折の連続、当初は己の無力さを実感させられる事のほうが多い日々に自信喪失『俺は本物の馬鹿なのか?』と真剣に思った事もありましたが、分かったのは『俺に特殊な能力は無い』と『10年先の時代を見すえるのは難しく無さそう』でした。
相手が求める事の一歩先を行く
その時点で祖父母の教えのひとつ『俺が俺がの我を捨てて――、』を実践で体感、だから会社の方針を立てるとか、対象客をリードするとかでなく、会社が求めるものを具現化、お客様の本音を1つひとつクリアするのが自分の能力では最善と考える姿勢が身に付いたんだと思う。
出来れば本音を実現するだけでなく、相手が求める事のひとつ先の希望、要望を提供すれば良いんじゃねぇか!?この発想と実行だけで50年近く生きて、国内初となった葬儀支援でも貫いてきましたが、そこで役に立ったのが10年先の未来予測だけは出来る資質でした。
葬儀支援センター設立の17年前(2008年)、2030年代は団塊世代が80代の終幕期となるが、年金は確実に下がり続け、医療費負担は増え続け、葬式は間違いなく小規模になるけど、火葬だけの葬式も当たり前にしておく必要があると公言してます。
また少子化で墓守不在なら墓閉じが増え、墓から出した遺骨は樹木葬より法律で縛られない散骨が増えるのも必然と散骨場は2010年~、宗教者付家族葬39万円は2012年~、最長33回忌までの自社永代供養墓は2014年建立、ぱっく60(火葬+散骨)は2015年~、そして最終到達点とした読経・居士大姉戒名が付き、供物の揃った祭壇での家族葬・税込17万円も完成しました。
コロナは予想外でしたが、直葬が市民権を得た事だけはプラス要素、他のプランは10年~20年先の想定から必要と思われる支援内容を具現化したもので、葬儀屋より一歩先が歩けるのは、近未来予測の資質が役立ち、全プラン国内初で当支援センターオリジナルだから葬儀屋の真似は一切ありません。
凡人の自覚がスタートラインに立てた理由
最大要因は『己の力量を悟れた事』でしょう。俺は、俺なら、俺こそはと自分を過大評価し続けてたら現代版ドン・キホーテのままだったでしょう。良く強いチームが勝つのではなく、勝ったチームが強いと言われるが如く、能力の高い人が成功する訳でなく成功した人が能力があるの発想が大事です。
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