理想はポックリ、現実的には「癌」かな

我想う支援日誌
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理想は生涯現役だけど

日本人男性の平均健康寿命は72~73才、あと2~3年で平均に到達しますが、葬式の現場で動く最長記録を目指すのも悪くないと思う自分もいて人間は欲深い生き物と実感してます。

当支援センターの墓閉じ、納骨、墓誌彫りを依頼する石屋さんは82才で現役、さすがに手や頭が震えるようになりました。石屋さんより葬儀支援のほうが楽ですから80才まで現場で動けたら素晴らしいと思う反面、依頼家族に心配されるようになったら終わりとも思う。

会員さんや入会相談で年令の話しになるたび、11月で70才と伝えると驚かれ「健康だけは注意してくださいね」と嬉しい言葉を掛けてくれますが「私が死ぬまでは――、」と続くのもお決まりです。

本日27日は友引なので大腸カメラ検診、日本人男性1位肺癌、2位の大腸癌ですから、胃カメラ、レントゲンは毎年検査してますけど大腸は別途依頼してます。持病である糖尿病と脂肪肝も定期健診を続ける事で、普通に動ける心身の健康対策は可能な限りしています。

生涯現役でポックリ逝くのが理想と考えてましたが、じっくり考えると突然の終幕では、その時点で本当に必要な内容を記載した遺言書は残せないだろ――、という疑問が湧きます。

終幕直前に書きたい遺言書

今の時点で遺言書を残した場合、例えば1,000万円あるから葬式で200万円掛かったとして、残りの800万円は嫁さん50%、子供達25%づつ相続すれば良いと書いても、この先入院したり、認知症で施設入所となれば、1,000万円では足らない事もあり得ます。

なまじ金額まで記載した希望だけに、残された家族が無理して負担するか、残る家族には叶えられない状況なら、家族に後悔の念を残す遺言書に成り兼ねません。

正式な遺言書は書き方、書式など面倒だから法定相続人が揉めない前提があるなら、パソコンでも自筆でも思う通りに書き、変更する必要が生じたら変更してパソコン内や部屋に残すのもあり。

銀行口座や暗証番号、生命保険、有価証券などで生前は教えないけど終幕後は伝えたい事がある人は、作成した遺言書を法務局(3,900円)に預ければ、変更が何度あっても都度3,900円で済むので割安です。

「癌」の逝去がベストかもな

そう考えると必ず余命期間のある「癌」での終幕がベストかもしれません。姉はスキルス性胃癌で余命2カ月と診断され3か月後に人生の幕を閉じましたが、一般的には定期健診をしてれば「年」、少なくとも半年程度の余命はありますから、最初の2カ月くらいは普通に過ごせます。

普通に過ごせるのが例え1カ月だとしても、遺言書に限らず、断捨離、諸手続き、家族団欒などの時間はありますから、自分だけでなく家族や大切な人達とも永遠の別れを受け入れる為の時間は持てます。

当支援センターには医師の会員もおられますが、口を揃えて「癌」が良いと言うのは様々な終幕を見て来た実感からの言葉なのでしょう。医師から老衰が良いと聞いた事はありませんから、老衰までの過程は決して望ましいものでは無いのかもしれません。

自死以外で終幕方法を選択する事はできませんが、何も考えないよりは想定しておいたほうが覚悟もそうですが、存命中にすべき諸事も落ち着いてできるかもしれません。

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