葬儀屋はイベント業

我想う支援日誌
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葬儀屋との目線の違い

ドライアイスについて書いてみると、これだけでも葬儀屋と支援センターとの目線の違いがハッキリ分かる事に気付きましたので、この先何十項目を書き進める前に両者の違いを意識した上で読んで頂ければ、各々の家族の価値観や目線に合う葬儀屋選択にも役立つでしょう。

何故、葬儀屋は毎日ドライアイスを入れ替えるのか? さして冷却効果の無い顔の両側にドライアイスを置くのか? 考えてみると『念のため』と『料金追加』以外の目的は見えません。

例えば、家族や弔問者が寒くて凍えたり、風邪をひいたら大変と布団安置した室温を快適にすれば、死体の腐敗進行は確実に進みますから、死体保全に万全を帰す対処にドライアイスを必要か所に使用するなら納得、でも葬儀屋施設で安置した遺体の頭部にドライアイスを当てた葬儀屋はありませんけど――、

我々の立ち位置から葬儀屋を見ると、葬式全ての面で考えられる最高のパフォーマンスを提供する事で家族や会葬者に感動を与え、その感動を利益に繋げる商売、分り易く言えば『何をどうすれば、より高額請求が出来るか』を日々追求する商売は葬式代行業よりも遥かにイベント会社の様相が強いと感じる。

見栄、世間体、派手に価値観を持つ家族なら最適、あとは家族の価値観や事情毎に足したり、引いたりしながら、我が家の感性に近い葬式が組める葬儀屋を探せば、きっと満足する葬式に近づくでしょう。

但し『高額=高級品』では無い事を理解する必要があり、当方会員にも多い、葬式後に後悔した事から入会相談に来た人達は時すでに遅し状態、まぁ次の葬式には間に合いますけど、出来れば初めての葬式が後悔の無い納得できる葬式のほうが良いですから事前調査は思ってる以上に大事です。

例えば当支援センター使用の『6尺山型フタ付白布棺22,000円税込』は、安い葬儀屋で5万円前後、10万円位の価格は普通、高額な葬儀屋なら20万円以上の設定も珍しく無く、「会員半額」の文字は魅力だけど定価10万円の半額なら5万円が安いのでしょうか? 比較し易い項目は『6尺山型フタ付白布棺』『7寸白骨壺・銀張り箱付』『ドライアイス1㎏当りの単価』でしょうか。

それと当支援センターに無い項目『式典奉仕料』『会場設営費』『〇〇スタッフ費』等々ありますが、葬式の流れは何処も大差ありませんので、基本の流れで生じる費用、使用品、内容毎に比較すると良いでしょう。

常識的にはあり得ませんが、もし「現段階での見積りは出ません」と言う葬儀屋があったら避けて無難、馬鹿高い請求はあっても納得できる事は絶対に無いからで、依頼する葬儀屋に困ることはありませんから自分の感性と合う葬儀屋と出逢うまで焦らず探すことです。

葬儀屋は最高のパフォーマンスを提供する事で、その対価料金を設定する商売と考えれば、至極当然の発想であり、それを求める人達は確実に存在しますので疑問は感じません。あえて言うなら葬儀屋が好んで使う言葉のひとつ「真心のこもったお葬式」ではなく「真心のこもった振りをするお葬式」ですが、演じてくれるスタッフに有難いと思えれば問題ありません。

問題は高いのに安いと嘘を言ったり、霊感商法や誘導商法、お脅しを使ったり、会員半額で逝去後でも入会できるなら「半額が定価でしょ」こんな姑息な営業姿勢には疑問を感じます。僕は葬儀屋勤務経験ゼロ、当然葬儀屋の内部事情は知らず関心もなく、これ以上は憶測の域なので避けたいと思います。

当支援センター基準

当支援センターは建前の綺麗事は言わず、自分だったらを基準に発言するからか、時々人生相談のような時間に成りますが、この段階で心の垣根が取り除ければ、もし入院等で余裕が無くなった場合でも「代表、お金が無いんだけど――、」と言える関係が築ける可能性があるからで、その意味からも綺麗事だけでは済まない家族がいると言うか、そんな家族のほうが多いのが現実です。

『依頼した家族毎の事情最優先』『残る家族の生活最優先の葬式』、且つ『誰が見ても違和感の無い内容』『入会後は死後費用の心配をすることなく生きられることが目的、続いて葬式施行期間は『家族毎に必要な死後手続の具体的アドバイス』と焼骨の『散骨・永代供養墓』いずれも自社所有、そして『合同新盆・追善供養』『墓閉じ』に至るまで死にまつわる全てに対応してます。

余裕の無い家族でも生活が守れる超低価格と、違和感の無い葬具や葬式は相反し、例えば直葬プランを例にとると、葬儀屋の直葬は部屋の片隅で納棺安置、当方は30万円相当の供物を供えた式場祭壇前で納棺安置する事で、誰が見ても違和感の無い内容を成立させると、結果として葬儀屋より豪華で充実したプランになる。

祭壇以外にも『安定枕付き搬送シート』で搬送時の頭部安定と室温により頭部冷却も可能となり『口閉じ専用器具』で特殊な死体以外は口を閉じて穏やかな顔になり『山型フタ付布棺』は現在主流だから誰が見ても違和感はなく、『死後手続きアドバイス』で死後に必要な手続きの全てと具体的な方法も分り『拾骨は代表主導(前橋限定)』で大切な故人の焼骨を各自が素手で和気あいあいとした空気の中で最後まで送れる。

満足感とは金額だけの問題でなく、家族が気兼ねなく、周囲の目を気にせず、温かく送れるよう最後の拾骨まで寄り添う事を当支援センターは心掛けてます。

リスクを恐れ詭弁きべんでは胸を張れない

家族の生活が守れる葬式を考えると、日本は「無信仰葬」と「仏教葬」の2種が基準となります。葬式の必須項目は「お迎え搬送とシート」「棺」「安置所と保冷剤」「届出と火葬予約」「霊柩搬送」「骨壺」だけで無信仰者は問題ありませんが、仏教葬となると宗教者の存在が必要になります。

家族葬は故人の兄弟姉妹や親戚が来ますから、棚だけの寂しい祭壇では家族が引け目を感じるのは明白、されど葬式後は不要な祭壇供物類を売れば家族の負担が増えたら、それこそ理念に反すると、試しにこれ以上はウザイと思える供物類を飾ったら30万円、売らずに全員が無料で使えれば不公平はないと200件使用する事で豪華な祭壇が利用できる事になった。

問題は菩提寺が請求する『高額な布施』、我々が精一杯踏ん張って10万円で家族葬プランを設定しても、菩提寺の布施が50万円では寺の利益の為!?と思えるし、偉そうな態度の住職の為など我慢ならんと菩提寺の葬式は受けないと明言した訳ですが、代わりの僧侶確保は必然ですから若干期間を必要としました。

「菩提寺葬式は受けない」「菩提寺に墓のある人も受けない」とは、寺墓の家族は全て対象外となり支援活動不能となるほど会員数が減る可能性もありましたが、自分の信念を曲げてまで続ける必要はなく、それで会員数が激減するなら、その程度の支援センターでしか無かっただけの事と腹を括りましたが、幸いにも無借金経営でしたから最悪の状態になっても全く問題はありませんでした。

真正面から立ち向かった今

予想は大きく外れ会員数はさほど減らず、老化に合せた施行数減も想定より遅く、更なる対象者を限定したり、最後は嫌な人は受けませんとまで書いたり、毎年50~60件ほど電話が入る非会員依頼は完全に断った事でようやく目標件数まで減らすことに成功、それでも毎年紹介入会で会員数は減りません。

以上が、当支援センターの判断基準と理解された上で、ご自分の価値観と目線で葬式で感じた疑問・違和感を読んで頂ければ、これから葬式をされる際の基準や目安、依頼先を決める際の参考にもなるでしょう。

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