№71「葬儀屋の行う故人の尊厳に反論してみる」

日々の「我想う」
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代表
代表

今回の話題はちょっと長くなると思う。葬儀業界に入って間もない頃に聞いた『故人の尊厳』という言葉と葬儀屋が勧めてる現実は最初から違和感があった。尊厳を調べると『尊く厳かで犯しがたい事』とあり、誰もが「なるほどぉ」と感じられる説明で無く、意味不明で「はぁ?」と思う人のほうが多いだろう。ならば『尊厳死』を調べると『尊厳を保ったままの死』とこれまた意味不明なのだが、日本国憲法を調べてみると、第13条に「すべて国民は個人として尊重される」と書かれており、これが尊厳と言い換える事もできる。生まれた国、育った地域、政治、宗教、文化など生活環境が違えば、価値観や思考も、それぞれの考え方や思考を尊重される事が『尊厳』であり、終幕を迎えた方の『故人の尊厳』は個々に全て違って当然なんだよ。

ちぎら
ちぎら

うーん、今回は全く分りません。質問も出来ないので聞き役に徹します。(-_-;)

代表
代表

あははっ、僕も話した事は無いから当然だと思う。簡単に言うと理解し難い言葉を商売に当てはめて利用してるに過ぎない。これが葬儀屋の言う尊厳の正体だろう。
『葬儀屋の行う故人の尊厳』
生きてる人間のように扱い、豪華な祭壇を準備し、僧侶の読経と戒名を授与して貰い、沢山の方に見送られる葬式をする事を『尊厳』としている葬儀屋が大半ではないだろうか、確かに人として送るのは道理だけど、犬猫のように庭に埋めたり、山に埋めたりする事など普通は無い。また生まれた国、育った地域、政治、宗教、文化、生活環境が違えば、価値観や思考も全て違うのだから、故人の尊厳は個々に全て違って当然、分かり易く言えば『故人の尊厳』とは『故人の希望を叶える事』が一番近い言動と思える。但し残る家族の生活を考慮した上でが前提となるだろう。

ちぎら
ちぎら

まだ全く分りませんが、葬儀屋さんがしている事は、故人の尊厳の名のもとに、自社利益を追求するよう方向転換してるって事でしょうか?

代表
代表

うん、その通りだ。葬儀屋が死後突然の電話で引き受けた故人の意思や希望を知るはずがない。本来は対象者自身の希望を聞くべき、ただ病床で来館できない対象者もいるから、対象者の思いや希望を家族に聞き、家族の事情も伺い、その上で故人の尊厳と家族の生活が守れる葬式を企画、立案、施行するのが葬儀屋のすべき尊厳を守る葬式なんだよ。初めは信仰の有無さえ分らないのだから、全ては事前相談から始まる。


1. 存命中の考え方や思いや希望を、家族や本人から聞かせて貰うのが最初にする事
2. 現時点で考えられる故人と相談者に最善の葬式を提案する(明確な料金含む)
3. その段階で、思いや希望と沿わない部分があれば修整と相談し再度提案する
4. 対象者(自分)が死後、残る家族の不安要素を聞き、その対処法も相談する
※ 以上の部分が無ければ故人の尊厳など守れるはずが無いんだよ
5. その時が来たら次の3点を本音で確認した上で葬式を決める
 ・事前相談した時の内容と、その後、故人の意思や希望の変化の有無を確認
 ・事前相談から逝去までに掛かった費用面(金銭面)の変化と財布事情の確認
 ・故人の希望を叶えて尚、残る家族の生活に支障があるか、ないかの確認
6. 以上の全てを確認後、家族と葬式内容の最終打ち合わせをした上で施行に入る


これが『故人の尊厳を守れる唯一の葬式』なのだから、1.~4.をせず、逝去後の電話1本で葬式する葬儀屋が、故人の尊厳を――、って言う事に無理があるし、言えるはずが無いんだよ。調べりゃ分るけど、故人の尊厳と口にする葬儀屋の多くは供物であれ、生花であれ、湯かん等であれ、尊厳を守るという理由で追加されてる項目がある。だから商売に利用してるに過ぎないわけよ。

ちぎら
ちぎら

えっと、何となく分ってきた部分があります。『故人の尊厳』とは『尊く厳かで犯しがたい事』ただ尊厳の中身は個々に全て違うのだから、それを一律で言えるはずも無く、本気で対象者の尊厳を守ろうとしたら事前相談は絶対条件で、死後突然の依頼で尊厳が守れるはずが無いのに、売り上げ増の目的で業者に都合の良い解釈をしてるに過ぎない――、って事ですかね?

代表
代表

大変よくできました。実例をあげれば、隣接市の女性が末期癌が分り相談と入会に来られた。初めは誰の話しか全く分らないほど元気だったが、自身の事だと分った時点で具体的な話しを本音で始めた。子供達に迷惑を掛けず、無理をさせず、子供達に送って貰えればいいと言うので火葬と遺骨の処理までできる『ぱっく60』を勧め、その際の流れも全て伝えると「これで安心しました」と笑顔を見せて帰った。それから半年ほど経った時、逝去の一報が入り、故人となった彼女との約束を果たすべく葬式をしたが、故人の兄と母親は反対したようだが、子供達は母親の希望を叶えることを選択した。火葬当日、母親と兄から「普通こんな葬式は無いですよね」と同意を求められたが「これが故人の希望だし、僕は故人の希望を叶え約束を守るのが仕事だし、この葬式で全く問題ありませんよ」と突っぱねた。


このケースは約束した『ぱっく60』を施行し、母親の希望を叶えようとした子供達を守ることが『彼女の尊厳を守る』ことなんだよ。

ちぎら
ちぎら

はい、はい、その時のことは私もよーく覚えてます。孫達の考え方は間違ってると代表に同意を求めたら、全く受け入れて貰えず不機嫌そうな顔してましたね。これが私の知ってる葬儀屋なら、母と兄に賛同し子供達を説得する側に立って、最後は最低でも家族葬をするよう仕向けるはずです。だけど事前に来館し、時間を掛けて相談した約束を破るのは平気なんですかね。

代表
代表

俺には理解できないけど、事前相談で約束した故人の希望は、残る家族の生活に支障がなければ守る――、人として当然だろ!? 尊厳を守るとはこういう事だよ。

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