先日入会に来られた人と話しをしているとホームページやブログにも書いてある僕の中学生時代と同じような経験を自分もしていると言う。
自分が学生時代、事業をしていた父親が倒産を機に蒸発したらしいが、父親に対する気持ちの違いが不思議で、いつか話してみたいと思ってたらしい。
家族を捨てた父親が許せない自分に対し、僕の書いた文章から受ける印象が全く違う――、なぜ!? なんで家族を捨てた人を許せるの?? と思ったそうです。
それを聞いた時『あー、妹に近い感覚なんだろうなぁ』と思いました。
裁判所での遺言開封には仕事の都合で行けず全て妹に一任、帰ってきた妹に流れを聞くと、遺言書の内容はどうって事は無かったらしいが「国内だけじゃなく海外旅行にも時々行ったり、結構いい生活してたらしいよ」と憮然とした言い方の妹。
「ところで、その女性との間に子供は?」
「いないみたいだよ」
「そっか、その女性の電話番号分るか?」
「分るよ。じゃあ言うよ」
その後の流れは上記クリックで確認してください。
ブログか最初の執筆本で読んだか分らないけど、同じ家族でも僕と妹の感情は違うし家族を捨てた父親が許せない気持ちも理解できるし当然の感情だろうとも思う。
妹の本音も、この人の心の中も分りませんが父親が蒸発したと分った中学3年生の心境を思い出しながら書いてみます。
》説得力ねぇな親父
家業はそこそこの事業、長男で後継ぎだった事もあり父親から言われてたひとつに『人生何をするのも自由だけど自由の裏に責任がある事だけは覚えておきない』今書いても間違ってないし中々良い教えだと思うけど言ってた本人が蒸発では説得力に欠けます。
》弱い人間だとは思った
結局、死ぬまで戻って来られず、自分の元へ呼ぶことも無かった。人間として心が弱いのは間違いありせんが反面教師として役立ちました。
》事業は真面目なら成功する訳ではない
真面目に精進すれば事業が成功する訳でなく存続する訳でもないと教えられた。また経営者には倒産の影がいつもつきまとうものだとも教えられた。
》借金の怖さ特に連帯保証人の怖さを教えられた
前職の社長時代は借金と同額、最高1億円の生命保険に加入し、あんしんサポートは小さな事業ですが設立から15年間無借金経営を続けているのは、多分、家業の倒産が反面教師だと思う。
》怒ると怖いけど子煩悩な父親
子煩悩で倒産するまでは余所の子より贅沢をさせて貰え良い父親だったし、家屋敷や金の無い生活が普通で金が欲しければ自分で稼ぐのは当り前と思った(高校生からキャバレーでバイト生活)
》何も無くなったが『何でも出来る』と思った
後継ぎが当然の人生から自由に何でもできる人生になった。大きな家から家賃4.000円ほどの公営住宅で祖父母との生活だけど、自分の人生は自分次第だと考えるしかなかった。
》それなりに幸せな人生だったと分りホッとした
妹は良い生活と貶したがホームレスや野垂れ死んだら僕の中に絶対後悔が残る。海外旅行に行ける程度の幸せが持てる人生とそれを叶えてくれた女性に感謝の念が湧いた。
》70才を超えた老婆が一人残された!?
ただ父親の死より「70才を超えた婆さん一人残されたか」と思い、転居先の鎌倉市まで逢いに行くとまだ60才の女性、自分の人生を作れると分って安堵した。
》父親が導いてくれた葬儀支援の道
これは僕の感覚でしかないが父親の生前と、逝去後の葬式に纏わる話を聞かせて貰えた事で現行の葬式の間違いと実態が見えるようになった。
『葬式の本来あるべき姿の現実を教えて貰えた』
『余裕の無い人は選択肢さえない現実を知った』
『葬式に決まりが無い事を教えられた』
父親の蒸発した15才当時、逝去の一報が来た52才当時、それぞれで感じた事を書きましたが、この程度の経験はいくらでもいて平凡な人生を送れる人のほうが少ないだろう。
問題は自分の責任でなく渦中に巻き込まれる存在だった時、それを『不幸や苦労』と思うか『人生の流れで普通』だと思うかで、その後の人生に大きく影響する気がします。
ちなみに僕は苦労した自覚も経験もありませんが、僕の話しを聞いた人、叔母さん達は「苦労した」と言いますから、苦労は自分で感じるものでなく他人が自分に対して思う感情なんだろう。
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