葬儀とは全て死後に行うもので、存命中のお別れ時間は関係ないと考える方に今回の話題は全く関係ありません。
しかし千数百軒の葬式に関わり、過去に10件以上の家族親族の葬儀経験もある僕からすると『その発想が後悔の根源』としか思えません。
それと同時に例え終幕間近であっても『存命中にお別れとしての葬儀をした家族』にとっては『温かい心のまま送れる要因』にもなる現実はいくつもあります。
11日2件の葬式直後、先月初旬に入会相談に来られた家族から「もってあと1週間だと言われた」との電話が入ったそうです。
「その時は24時間いつでも連絡をください」と伝えたとの連絡を受けました。
ところが午後5時「たった今亡くなりました」との連絡が入り、指定先病院お迎え、あんしん館安置して手続きを済ませる。
いつものように死後に必要な手続きのアドバイスでは『葬祭費』『年金』『生命保険』『預貯金』『携帯解約』『名義変更』等々を伝えた。
全てのアドバイスが終了すると午後8時「もう一度故人に逢いましょう」と安置室に行くと家族が話し始めました。
この数日は真っ黒な下血が続いたり、トイレに座る事もままならず、昨日救急車で搬送された際に担当医から言われたのがあと1週間だったようです。
7月1日に退院した時「行きたい場所があったら例え死んでもい良いから連れて行け」などいくつかのアドバイスを入会時にしたようです。
家族4人で対象者を連れて綺麗に咲いてるアジサイを見てきたそうで「穏やかな死顔を見ると最後にアジサイを見に連れて行けた事が本当に良かった」という。
「家族の中に後悔はありません。今こうして亡くなってみると本当に良いアドバイスをして貰えたことに感謝です」と言ってました。
存命中にしておかないと死後では絶対に不可能で後悔の種に成り得る事もあるんです。
残る家族の中に後悔が残ったら一生消えることはないのです。
一般の人達では一生掛かっても経験できない数の「死」を経験しているのですから、我々で無ければできないアドバイスがあるんです。
アドバイスを聞く聞かないと実行するしないは家族の勝手ですが、選択肢はあるべきだと思うし的確なアドバイスはすべきだと思う。
葬式を滞りなく進めるのは葬儀社なら当然で作業レベルでしかないが作業から仕事にレベルアップさせるには様々なスキルが必要です。
個々の家族の持つ条件や感性による違いはありますが『何が分らないかさえ分らない家族』が普通、その点をカバーするのは依頼を受けた以上は当然だろう。
問題は・・・・
『存命中にしか出来ない事は出来るだけ早い段階の事前相談で伝えなければ家族は実行不可能である』
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