今回は『赤字プランを設定し続けてる理由』、次回は『赤字補填してる事業内容』についてです。
あんしんサポート葬儀支援センター15年を一言で例えるなら『身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ』のような気がします。
老人達の話しを聞くと葬式代を心配しながら生きてる人達がとても多く、年金額は予想以下と分かると『誰でも必ず死ぬのに今の高額な葬式は間違ってる。この人達から死後費用の不安を取り除くには?』と思う自分がいた。
当初は低料金で利用者目線の葬儀社紹介をすべく動き出しましたが残念ながら自信を持って紹介できる葬儀社はありませんでした。
自身が素人ですから利用者目線は明確、無ければ自分で始めるしかありませんが当時は別法人の経営者で食えますから気軽だし妥協する気もありません。
設立当初協力してくれた人達から「初めは10万円くらいで依頼数が増え経営が成り立つ確信が持てたら5万円を目指せば良いのでは?」と言われました。
当時の心境1
その感覚そのものが素人のお題目だな10万円?は何を根拠に出てきたんだ? 俺が分らねぇのに原価は分らねぇだろ!? 目指すは国保からの葬祭費5万円で可能で、一銭も無くても安心して死ねる日本で一番安い葬儀支援センターだな。実現は難しいけど完成すれば新聞各紙が取りあげてくれるし誰からも普通の葬儀屋とは思われないだろう!? 実現が無理なら葬儀支援から手を引けば良いだけの事。
『NPOあんしんサポート葬儀支援センター』という名称ですから設立当初から入会相談はあり、その多くは年金生活の老人達が対象でした。
設立から数年後、相談に来られた老婆に「国民年金だけの生活は大変ですよね」何気なく口にした言葉でしたが同時に偽善?の思いが湧きます。
当時の心境2
何が「大変ですよね」だよ偽善だ。自分はそれなりの収入がある生活、国民年金だけで生活した事ねぇだろうが、そんな偽善を続ける気か!? 性格的にも無理じゃねぇ?いずれにしても葬儀支援を『続ける』か『辞める』かハッキリさせる時が来たんじゃねぇか。
これを機に『現行経営者を続け片手間で支援を続けるか』『葬儀支援を本気で続けるか』の岐路にいる自分に気付き20年以上働いてくれてた社員に法人全てを無償提供する事で恩に報い自身は相談者と同じ目線に立つ決心をした。
葬儀支援対象者
・金銭的余裕の無い弱者
・年金暮らしの老人
・独居者(独居老人優先)
続いて葬儀支援として実現すべき当初の目標
・葬祭費5万円だけで可能な火葬式のプラン
・エレベーター無い公営団地居住者用安置所
・少子化で墓閉じ増なら安価な墓閉じプラン
・墓閉じ増は散骨増も必然、自社散骨場所有
・10人程度で使える小さな式場
そして・・・・
・無信仰者は火葬だけの葬式当然の意識改革
さらに・・・・
・2030年代は団塊世代80代への終幕期対策
改めて書き出してみると初めから商売として捉えておらず、幸か不幸か新聞には何度となく取り上げて頂き、NHKでも8分以上の放送と全国放送をしてくれたり、千葉県2市の市会議員が都内飯田橋で僕の講演会を開催してくれ北海道から九州までの数百人が来てくれ、その要望で後講習会もしました。
更には県内外で講演会をした事もあってか『弱者から死後の不安を取り除く事だけを最重要支援としてきた』というか、メディアも含め周囲に踊らさせ続けた15年だったのが分かります。
近未来予想で明白な要望をひとつ、ひとつ形にしていく事だけを考え食えなかった3年、その後は嫌々だけど家主の好意で開設したあんしん館でしたが、それから食えてるのだから不思議です。
千明の心情
家賃さえ払えないのに改装して支払いが増えたらどうなるのだろう? でも不思議と不安を感じない自分がいるし、自分の人生でこれほど堂々と胸を張れ生き甲斐と遣り甲斐を感じた事はなく、代表なら何とかなりそうと思うから行ける所まで着いて行ってみよう
結論を言えば、葬儀支援は商売の感覚無視、利用家族の満足だけを最優先の基準とし且つ『安かろう悪かろうは絶対に駄目』実現させるなら超低料金で高品質が絶対条件、その基準は『誰が見ても違和感のない葬式』です。
使用する「棺の種類」を始め部屋の片隅でなく豪華な祭壇(仏式だけど)前で納棺など『事前相談』で不安を取り除き『お迎え~火葬、更に遺骨まで』全て納得できる支援を可能にして初めて葬儀支援センターと呼べると思ってた。
その想いのまま気付けば15年間全く変わらずに過ぎただけの事、だから何年経っても全くブレないですね。なのでしょう。
ただこの手の話題になると『いい人』『人助け』と言われるけど、そんな気はサラサラ無く、いい人を演じる気もありませんから利用者の皆さんも恐縮する必要はありません。
しいて言うなら『趣味!?』が近いだろう。無償ボランティアの人達も趣味や自己満足だから続くんじゃない? それと一緒です。
とはいえ赤字プランばかりでは経営が成り立ちません。次回は『赤字を減らす努力』と『補填事業』についてです。
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