魚屋に生まれ、後に個人スーパーで育ち、自分もスーパー業界、美容業界で生きてから偶然にして葬儀業界に入って14年が過ぎました。
小売業界に於いては50年前に魚屋、八百屋、肉屋などの個人専門店は淘汰が進みスーパー最盛期を迎えると大型店化の波が一気に押し寄せた。
100坪程度のスーパーは淘汰され500坪以上の店舗が主流となったが今ではショッピングモールが主流となり廃業するモールも出始めている。
美容業界は開ければ客が入るパーマ屋時代からテナント中心のビューティーサロン時代を経て10面以上のセット面を有する大型店化した。
しかし過当競争の波は収まらずスタッフの定着率も上がらず経営難時代に突入して久しいと大手材料商の元同僚役員から聞かされた。
「武ちゃんは美容室から手を引いて大正解だよ」
「さすが先見の明があるなぁ」
「そうじゃなくて親父の死がきっかけの偶然だよ」
「そうかい、やっぱ武ちゃんはツキがあるんだな」
だそうですが、どんな事業も次々と変化の波が押し寄せる度に経営手法も変化してきた。
偶然の流れで14年前に入った葬儀業界は自宅葬から施設葬への変化はしていたが全国有数の葬儀社でさえ経営体質は古いままだった。
それだけ恵まれた業界だった訳ですが、この流れが続く事はないと結婚式の経験から考えていたがコロナ感染で10年は前倒しされただろう。
葬式はこうしなければ――、と思っていた事が「そうではない」と分かった人は多いだろうし、家族だけの葬式の良さを知った人も多いだろう。
葬式は最低100万円は掛ると思い込んでたのも間違いだと気付いたはずだ。
この流れは必ず迎える現実だったのは間違いない。ただ準備運動する前にスタートしたに過ぎない。
葬儀業界は長い期間ぬるま湯だっただけで他の業界はすでに経験して来た事だから他業界の人が聞けば
「そんなの普通だよ」と言われる程度だろ。
過去の慣習にしがみつき「葬式の常識が‥‥」と言う葬儀屋と宗教者も出るだろうが常識は時代の流れで変化し続けるものでしかない。
かつてはその変化を率先して行った葬儀経営者もおられるはずだ。
葬儀業界は右往左往する時代に入るだろうがバブル崩壊以来決して良くなってない景気の中で生きてる一般の人達には良いことだろう。
先の元上司の同僚がうちの葬式を経験して言った。
「これからの葬式は武ちゃん所みたいなのが良いね」
「親父の葬式はメ〇〇ードでやったけどもういいわ」
「大きな会社の社長は別として俺の時も頼むよ」
「俺のほうが長生きしたらな(笑)」
この人はコロナとは関係ありませんでしたがコロナ感染下で新たな葬式を経験した家族もいるし本当の家族葬も経験したでしょう。
斎場の大きな式場でわずか10名ほどなのに大きな祭壇一杯に生花を飾らせる葬儀屋もありますが、長くは続かない葬式形態でしょう。
コロナで一部好景気な人もいるでしょうが大半はコロナは不景気風になってますから、その意味でも無理をしない葬式は喜ばれるでしょう。
葬式もいよいよ過渡期を迎え転機に入る時を迎えてるのだろう。
葬儀業界お前もか!?
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