葬式で聞く「戯言」

我想う支援日誌
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⓪ まことしやかに囁かれる「戯言」に惑わされない

葬式では適当な事を言っても納得する人が多いのが問題、当人は何処かで聞きかじった事を言ってるだけで嘘を言ってるつもりはないのですが、信じた人達が対応に支障が出る内容もあるので鵜呑みにせず、専門家や経験者など知識のある人に再確認した上で対処、対応されると良いでしょう。

死亡届を提出すると銀行口座は凍結される

戯言の筆頭として挙げるなら「死亡届を提出すると銀行口座は凍結される」16年間で何百回と聞いてますが結論を言えば『凍結されません!』、ただ新聞お悔やみ欄に掲載したり、銀行窓口で逝去した旨を伝えたり、小さな町で噂が半日で広まるような地域ならあり得ます。

逝去した故人口座は凍結し、各銀行が定めた所定の手続きを経て凍結解除するのが法的にも正道ですが、そんな必要はないケースも多く、支障が無いと判断した家族には通帳ゼロにする方法を伝える事もあります。

凍結されない理由として、死亡届は医師が死亡診断した死体で、犯罪の可能性は無いと行政が確認した上で発行する火葬許可証発行手続き、銀行は民間企業、行政が民間企業に個人情報を流す事などあり得ません。銀行が死亡した事を知らない限り口座が凍結される事はありません。

故人名義の通帳を凍結させる理由

銀行が故人名義の口座を凍結する理由を考えてみましょう。

故人の財産(遺産=資産+負債)は逝去した時点から法定相続人の管理下に入ります。もし法定相続人の1人が来て全額引き出した場合、後から別の法定相続人が来て「自分の許可なく引き出させた銀行が悪い」とクレームや裁判になっても困るから所定の手続きが成されるまで凍結するのです。

銀行毎に所定の手続きは異なるでしょうが、「除籍謄本」で法定相続人が分かり、その上で「遺産分割協議書(要印鑑証明)」「全法定相続人の住民票」があれば凍結は解除されると思われます。

故人は3,000万円の基礎控除枠+法定相続人数×600万円の合計額までは相続税は掛かりませんので、相続税対象外の枠内で、法定相続人間で問題が出ない状況の普通預金であればカードで引き出すのが大半でしょう。

引き出し方については各銀行設置のATM機種により違いますけど、あくまで個人的な意見として『俺ならこうする』を参考までに『② 故人の預貯金(通帳)管理』の項で詳しく書くつもりです。

手続きとは関係ありませんけど戯言と思う話題から抜粋すれば――、

薬を飲んでたから焼骨の色が・・・

拾骨の際、良く耳にするのが「病気で薬を飲んでたからね」といった焼骨の色について、焼いた骨は白いものと思ってるのでしょうけど、都内なら1,100℃まで温度を上げてるでしょうから、焦げてる部分は茶色より黒い墨色まであり炎の当たり具合で茶色の部分があるのは不思議ではありません。

骨の病気や骨の癌なら無いとも言い切れませんが、普通に考えて骨が変色するほどの劇薬を使うと思いますか?「薬」とは毒だから細菌を殺せるし、それが内臓に障害を引き起こす可能性もあるけど、飲んで骨が変色するほどの毒を使うとは考えられません。

麻薬指定されてるモルヒネは癌などの痛みを和らげる鎮痛剤として使用してますが、依存度が高いことからパッチとして貼る、点滴、注射と痛みの強さで使い分けられてますが、それでも焼骨の色が変化する事はありません。

焼骨の色で言うなら、植物性の染料は薄めの色で骨を染めるほどでなく生花の色は着き難いですが、色落ちする衣類や雑貨品の色は濃く付着し易いでしょう。安い新品の木綿の真赤なトランクスを故人に履かせて火葬すれば焼骨全体がピンク色になる経験は何度かしてます。

死亡届出書コピーは沢山要らない

ネットでも死亡届出書のコピーを10枚撮っておきましょう的な発言を良く見るし「10枚くらいください」と言われる家族もいますが「1部コピーを渡すから必要ならコンビニでコピーしてください」と言ってます。

死亡届の原本は役所に提出してあり、死後手続きで必要な場合は全てコピーを使用しますが、実際に使用する回数は左程ではありませんから、1部は保管しておき必要ならコンビニで10円コピーしたり、ドコモ等で必要なら持参して相手方でコピーするよう渡して伝えれば良く無駄にコピーする必要はありません。

死亡診断書(右側半分)には死因も書かれてますから余分を置いて良い事はありません。

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