逝去後の不安は遺言書で解決できる

生前・死後の手続きアドバイス
この記事は約5分で読めます。

最近、独居老人の相談が増えていますが、その多くは親戚付き合いが無い、或いは親戚関係がうまくいってないなど、頼れる人がいない、頼りたくないというものです。子供がいても子供の配偶者との関係が悪く、頼りたくないとか、財産をあげたくない人も珍しくありません。

何もせずに死ねば、黙ってても子供が相続しますから、子供の立場としては、改めて何かする必要も無いと思うのでしょうが、普段は寄り付きもせず、何の面倒も看ず、財産だけは欲しい――、法律は面倒を看たか、看なかったは関係ありませんけど、心情的に許せないのは理解できます。

自分の死後に起こり得る諸問題に対し何か良い方法は――、と考えるのは当然ですが、多くの人達は友人にその時の事をお願いする人が多い気がします。ですが決して良い方法とは思えません。それはいつまでも仲の良い関係が続くとは限らないのと、金銭目的で近寄ってくる人間もいる現実を何度となく見て来たからです。

後から聞けば決して評判の良い人物では無いのですが、その時点では我々でも全く分りません。但しお金が無くなれば、いつの間にか離れているし、何処かに引っ越している人もいました。その現実を冷静に考えると、もしもの時は逮捕の可能性さえあるからでしょう。

ならどうすれば良いか――、確実な方法は『遺言書』を書いて残すことです。遺言書は『自筆遺言』『公正証書遺言』『秘密遺言』と3種あり、それぞれに一長一短あるので簡単な説明とメリットとデメリットを記載しておきます。

『自筆遺言』2020年7月10日からです。
全て自分で手書き、日付、署名も手書きが条件、捺印、証人は不要、法務局に預けた場合、家庭裁判所の検認は不要となりました。個人的には一番おすすめです。

「メリット」
・遺言書の存在と、遺言の内容を秘密にできる 
・費用がかからない(法務局3.900円のみ)
・預けてあるので紛失や改ざんの心配もない
・「死亡時の通知の申出」をしておけば、逝去時に法務局から1名に知らせがある
・法務局に預けた自筆遺言書なら、家庭裁判所の検認が不要となる

「デメリット」
・自分で文字を書き署名できなければ利用できませんが、デメリットは殆どありません

『公正証書遺言』

・公証人役場で財産に無関係な2名の証人が必要原本は公証人役場で保管して貰える
・自筆遺言書を法務局に預けられる制度により一番のお勧めでは無くなった

「メリット」
・遺言内容が明確になり、無効はまずない
・預けてあるので紛失や改ざんの心配もない
・公証人役場で預かるため、家庭裁判所の検認が不要となる

「デメリット」
・遺産総額にもよりますが、3.000万円ほどで5万円くらいは掛る
・作成は一番面倒な遺言書と言える

『秘密遺言』
書面はPCやワープロでも構わず、公証人役場に持参、証人2名必要で費用は一律11.000円(証人を依頼する場合は別途)で、遺言内容は一切明かされず、遺言書は自分で保管する必要があります。

「メリット」
・ワープロでも書けるので簡単
・自筆で作れば、自筆遺言となるので、無効になる確率は断然低くなる
・遺言内容は一切秘密にできる

「デメリット」
・効力は家庭裁判所の検認後となる
・事前に内容確認されないので無効な場合、法定相続人間で紛争もあり得る
・遺言書の紛失、改ざん、などの可能性は否定できない

以上、3種類の遺言について簡単なメリット、デメリットを書きましたが、遺言に書いても効力の無い内容もあり、代表的なものをいくつか書いておきます。

》兄弟姉妹並びに家族は仲良く生活すること
》故 山田太郎の葬式は盛大に行う(質素)に行うこと
この手の内容は、法的効力はありませんが、喧しい親戚がいる場合、葬式を抑えるように――、と書いたり、残る家族の生活を最優先した葬式にすべく〇〇に一切任せるなど書くのは法的効力はありませんが、対親族への効果ありです。

また遺産を誰かに渡したい、寄付したい、隠し子にも渡したい、最後の時を一緒に過ごしたパートナーに渡したいなどは、全て遺言書に書けば、配偶者、第二順位の両親や祖父母(子孫等は第一順位)までは遺留分があるので相続権はありますが、それ以外は故人の遺志を尊重できます。

お金は無いけど家屋敷がある場合なら、独居になるのを想定し、不動産担保で入所できる施設を探したり、売買して現金を残すなど、決めておかれるほうが無難です。また不動産は、すぐに売買できるとは限りませんから、相続になった場合、相続放棄をしても売買成立までの管理は法定相続人がすることになる為、建物によっては費用も、税金も掛るので注意しましょう。

さらに最近多い墓については、相続放棄ができません。最終的には家庭裁判所が指定した人が墓守をすることになりますので、最低でも次世代の墓守が確定できなければ、できるだけ早く墓閉じすべきです。最悪の状況として、何年も墓参りに行かず、管理費も払わなければ、墓の管理者は墓を撤去するなどが条文に記載されてるはずですから、管理者が依頼して墓の撤去、遺骨の処理を行い、その費用総額を請求された場合、払えないと裁判をしても負ける確率が高いはずです。

ずるや逃げるのは卑怯だし結局は駄目ですから、墓閉じをし更地に戻して返却しましょう。人として当然のことだし、先祖や親戚にも堂々と報告できるでしょう。但し寺の墓閉じをしようと出向いたら『離檀料』うんぬんと言ったら、ハッキリ、その旨を書いた書類は全く覚えが無く払う気は無いと伝えれば良いでしょう。ただ墓閉じの際に行う閉眼供養の布施は普通に支払いましょう。それでも何か言うなら「なら、好きにしてください」と帰ってくれば良いし、その際の話しはスマホ等で録音しておかれると良いでしょう。最近のスマホは勝手に電話内容を録音する機能もあると思います。

最後に、これだけIT化が進んでるのに、日本はいまだ印鑑、紙社会のアナログ国家ですが、いつかはビデオ遺言も可能になるでしょう。法的効力は無くても、対象者自身が映像と音声を残せば、録音同様に効果はあるはずです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました