⑥ 家族毎に適した遺言書の勧め

我想う支援日誌
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本書でいう遺言書とは『自筆証書遺言』または『公正証書遺言』のことで秘密証書遺言は対象外、理由は遺言書として効力を発揮するには家庭裁判所の検認が必要で1か月~2か月(準備も入れると3か月要する事もあり得る)からで、逝去直後の葬式等には間に合わず検認が遅れたら相続放棄への影響もあるからです。

これに対し 『公正証書遺言』 は勿論『自筆証書遺言』も令和2年7月10日から法務局で預かり可能な制度となった為、遺言書として成立する内容であれば法務局で保管され、法定相続人ならすぐに遺言書を受け取れる事、指定した人に遺言書がある旨の連絡もして貰える事で遺言書の執行確率は各段にあがります。

遺言書の法的効力は財産分与の範囲だけですが今回は財産相続以外で『存命中は内緒にしておき死後は法定相続人に伝えたい事』が中心、法務局に預けられる自筆証書遺言は費用も3.900円と手軽に遺志を伝えるには最適な手段になるし裁判所の検認不要、逝去直後から法的効力も発動されます。

》葬式内容と考え方の遺志
自分の葬式は火葬だけで他は何も要らないとか、残る家族の生活を最優先させるとか、喧しい親戚から家族を守る手段として使える

》お一人様の場合
自身の火葬と遺骨処理について全て依頼してある葬儀社等の連絡先、担当者名、領収書のコピー添付と依頼内容と死亡届出人も明記して、死後分るようにしておけばスムースに事が運びます。あんしんサポートの支援地域以外にお住まいの方は包括支援センターで相談されると良いでしょう

》銀行口座の暗証番号を書いておく
預けた遺言の閲覧は本人だけですから、遺言書が法務局に預けてある旨さえ明記しておけば、生前は誰にも知られず逝去後に伝えたい事は家族に伝えらるはずです

》想い、お願いを伝える
法律で定められた相続割合で無かったり法定相続人以外の人に相続させたいケースでは、法定相続人に対してのお願いする内容や想いの文章を書いたり、感謝の言葉を書くこともできます

》是非書いて欲しい『借金の詳細』
残した資産より負債(借金)のほうが多い場合、家族は相続放棄を選択したいケースでも、逝去後3か月以上経ってから借金が分ったのでは相続放棄できません。ゆえに借金がある人こそ明確な詳細を書き残すのが残る家族に対する最後の懺悔ざんげと愛情であると肝に命じておきべきです

今回書いた内容は全て法的効力はありませんが、意思や思いを伝えたり、生前は内緒だった事柄だとしても死後に伝える手段としてこれ以上のものを僕は知りません

遺言書の特質を知れば賢い使い方は個々の環境により色々考えられるでしょう。例え遺産が少し、或いは無くても、生前の思いを家族に伝えるアイテムとして上手く利用されると良いでしょう

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