戸籍謄本は本籍地でしか発行されません
2024年4月1日から『故人所有の不動産は逝去から3年以内に名義変更しないと罰則対象となる』との法律が施行、本法律は過去に遡ることから、故人となった父母や祖父母等の名義のまま居住してる人も含めると名義変更が必要な家族は相当数にのぼり、法定相続人間でのトラブルも考えられます。
始めに「戸籍謄本は本籍地のみ発行です」から、現住所は移しても本籍は自宅を建てるなど、終幕を迎える可能性が高い居住地が決まるまで移動は避けて無難、その理由は――、
相続には故人の生誕~逝去まで全戸籍が必須
相続する不動産の名義変更には、法的に通用する遺言書が無い限り、故人が生れた時から逝去までに変更した全本籍地の謄本が必要、わずか1年でも本籍地の空白があれば名義変更できません。
例えば「生誕地が前橋市」「5才~10才まで父親の転勤で練馬区に移転」「10才~22才まで大阪市」「23才で婚姻で本籍は福岡市で登記」「30才で高崎市に転勤で自宅を建て80才で逝去」全ての移転先に本籍も変更してた故人だとしたら、前橋市、練馬区、大阪市、福岡市、高崎市から謄本を取り寄せる必要があり、手書き保管してた時代の本籍がある高齢者の逝去なら、行政により出向くケースさえあります。
遺言書があれば「遺産分割協議書」「生前の戸籍謄本」は不要
法的に通用する遺言書があり、相続させる不動産と相続人が明記されていれば「遺産分割協議書」と「生前の戸籍謄本(逝去した住居の除籍謄本は必要)」は必要ありませんから、下記「代表例 ① 」以外のケースは、法的に通用する遺言書を残しておくのが最善です。
相続の代表的な例
①「配偶者・子供1人」揉める事なく一番簡単なケース
②「配偶者・子供達」子供同士が揉め無ければ簡単なケース
③「配偶者のみ」子供がいない夫婦の場合、故人の両親生存なら1/3、兄弟姉妹だけなら1/4の権利あり
④「配偶者・子供達+前妻との子供」全ての子供が同率の相続権を有します
⑤その他、個々の状況により法定相続人が異なり、対処方法も違ってきます
法的効力のある遺言書順
①『公正証書遺言』
費用面では最も掛かりますが、原本は公証人役場で保管、逝去と同時に法的効力を発揮、家庭裁判所の検認不要と法的に通用しますので、一定以上の不動産や相続財産のある方なら一番おすすめです。
②『自筆証書遺言』
遺言内容は自筆が絶対条件、パソコン等での作成不可(財産目録のみ可)、内容確認はしませんが3,900円で法務局で預かってくれ、内容が法律に沿っていれば家庭裁判所の検認は不要で法的効力も発揮します。「相続させる」「遺贈する」など使用する熟語、紙面サイズと書式などは要注意です。
③『秘密証書遺言』
書いた遺言書は公証人役場で証明(11,000円+証人2名10,000円)を受けて初めて遺言書と認定、されど逝去時は家庭裁判所での検認が必要、死後1カ月~2カ月後に法的効力発揮、自分で保管するので無くしたり、誰かに廃棄される可能性は拭えません。
「遺留分」と「遺留分侵害額請求権」
『遺留分とは』
兄弟姉妹より高順位の相続人の持つ権利、遺言でも奪うことのできない法律が認めた相続権利(法定相続権の半分)配偶者は50%で半分の25%、子供が2人なら1人25%で半分の12.5%が遺留分となります。
遺言書が優先され「遺産分割協議書」「故人逝去時の謄本以外の謄本」は不要ですが、他の法定相続人から遺留分侵害額請求がされた場合、相当する現金で支払う必要があります。
遺留分の時効は「「遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から」1年間か相続開始から10年間で時効消滅となります。
揉める可能性があるなら遺言書作成は必須
前妻との間に子供がいて、数十年得音信不通でも「子供」であり相続権はあります。また子供の無い夫婦は故人の両親1/3、両親他界で兄弟姉妹がいれば1/4の権利がありますので、簡単に行かず揉める可能性がある人は、すぐにでも遺言書を作成しておきましょう。
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